10/12追記|”BA.5”の3倍以上?新型変異種ケンタウルス(BA.2.75)の特徴・重症化リスク

次々に変異し、社会に多大な悪影響を長期間及ぼしている新型コロナウイルスですが、夏季に入り急激に感染者が急増しています。
この第七波を引き起こしているのがオミクロン株の変異種『BA.5』。
そこに加えてもっと強い感染力を持つといわれる『ケンタウルス』の名を持つ変異種『BA.2.75』も登場し、更なる混乱が引き起こされるのでは?と危惧されています。



新たな変異種『ケンタウルス(BA.2.75)』とは

Covid 19 virus,SARS-CoV-2 Coronavirus variant omicron ba.2.75 Microscopic view of infectious virus cells in lungs .3D rendering

ギリシア神話に登場する半人半獣の英雄『ケンタウルス』の名を持つ『BA.2.75』は、『BA.2』系統から変異した75番目の亜種です。
『BA.2』の系統でありながら『BA.5』に似ている部分があるという『半分半分』の特徴からこの名がつけられました(※正式名ではありません)。

過去の変異種と比較すると異質な存在である『ケンタウルス(BA.2.75)』は、2022年6月にインドで発見され、その後はイギリス・ドイツ・アメリカ・カナダ・オーストラリア・ニュージーランドなど次々に世界各地で感染が確認、日本に入ってくるのも時間の問題といわれていました。

実際に日本で初めて『ケンタウルス(BA.2.75)』が発見されたのは2022年7月8日(渡航歴のない40代女性)。
その後は19日に大阪(2人)、21日に東京(2人)など徐々に『ケンタウルス(BA.2.75)』の感染者が国内でも増えてきています。

『ケンタウルス(BA.2.75)』の特徴・重症化リスク・症状は?

long Covid syndrome and coronavirus pandemic symptoms that persist as a burden concept or being tied trapped as a hauler of a virus infection

『ケンタウルス(BA.2.75)』の現時点で分かっている特徴は、感染力の強さだけです。
米アーカンソー州立大学の研究によれば、現在主流の『BA.5』の3.24倍との報告が。

感染力が強いことで知られる『はしか』と同レベルといわれる『BA.5』。それをさらに上回る強さの感染力を持つ『ケンタウルス(BA.2.75)』がひとたび市中に広がれば、一気に置き換わる可能性が高いので注意が必要です。

また、国内ではまだ感染例が少ないため、重症化リスクについてもよくわかっていません。
ただ、ウイルスは変異を繰り返すほどに弱毒化していくといわれており、『BA.5』と同様に『ケンタウルス(BA.2.75)』も重症化するリスクは低いと考えられています。

実際、最初に発見された1例目の女性は軽症、そのほかの感染者も軽症であったことから、現時点では重症化リスクについては『BA.5』と同レベルと考えて良いとされています。
現在、世界で最も『ケンタウルス(BA.2.75)』の感染が拡大しているといわれるインドでも死者数の急激な増加は見られていないことからも、重症化リスクは低いと推測。

『ケンタウルス(BA.2.75)』に感染するとどのような症状が出るのかも詳細は不明確。
ただし、『BA.5』に似ているということから、発熱や倦怠感、せきや鼻水などの症状が出ることが予想されます。
これらは夏風邪や夏バテと間違えやすい症状なので、知らない間に『ケンタウルス(BA.2.75)』を周囲に広げてしまうことのないよう、気になる症状がでたら抗原検査キット等で速やかに確認するようにしましょう。

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要注意! 『ケンタウルス(BA.2.75)』にも免疫逃避が?

まだ国内での感染例が少ないので確実ではありませんが、免疫逃避の特徴がある『BA.5』の性質も併せ持っている『ケンタウルス(BA.2.75)』にも免疫逃避があると推測されています。

国立感染症研究所の報告でも、『ケンタウルス(BA.2.75)』は『BA.2』と比べてスパイクたんぱく質に数か所の変異が加わっていることから”ワクチン接種による中和抗体を逃避する可能性”を指摘しています。

そのため、ワクチン接種者・過去に感染したことがある人であっても油断は禁物。『ケンタウルス(BA.2.75)』に感染しないよう、三密回避・手指消毒・マスクなど徹底した感染症対策を継続しましょう。

日本国内での『ケンタウルス(BA.2.75)』への置き換わりは?

連日、国内でも多くの新規感染者数が報告されていますが、経済活動優先のために行動制限はされていません。
子供たちの夏休みシーズンでもあり旅行や帰省やイベントなどで人の移動が激しくなっている中、『BA.5』よりもはるかに感染力の強い『ケンタウルス(BA.2.75)』の感染者が一人でもいれば瞬く間に感染者が増えてしまうことは想像に難くありません。

『BA.5』の感染者数のピークは8月前半あたりと考えられていますが、感染者数が下がりきらないうちにこの『ケンタウルス(BA.2.75)』が増え始めてしまえば、さらなる医療のひっ迫や社会経済活動の停滞の長期化を招くのは必至です。

『ケンタウルス(BA.2.75)』特有の特徴や症状等については不明な点もまだまだ多いですが、これ以上の感染拡大を防ぐためにも、体調の異変を感じたときは不用意な外出・人との接触を控えるようにしましょう。
また、オミクロン株は潜伏期間が2〜3日、曝露から7日以内に発症する人がほとんどです。同系統の『ケンタウルス(BA.2.75)』も同様と考えられています。
周囲に陽性者が出た場合も、体調チェック・自主待機などを積極的に行い、感染者拡大を未然に防ぎましょう。

10/12追記|多くの抗原検査が変異種株にも対応・変異種最新情報

 

現在医療機関での陽性者登録等を行っていないこともあり、抗原検査キットやPCR検査で陽性になった場合は、症状がひどい場合を除き自宅で療養となっています。

そのため、自分が変異種なのか一般的なコロナなのかわからずにいる人も。抗原検査やPCR検査は、しっかりと変異種にも対応しているため「陽性」として反応されます。

日本ではオミクロン株・変異種のうち「BA.5」が感染の主流となっていますが、インドなど「BA.2.75」が多く検出されている国もあります。

東京大学などの研究によれば、変異種である『ケンタウルス(BA.2.75)』の治療に対し、日本で承認されているいくつかの治療薬が十分効果がある

(引用元:NHKオミクロン株の症状や感染力などコロナ変異ウイルス最新情報

との発表もあり、日本では、対応の枠が広がりつつあります。

また、最新の変異種株情報は、東京都健康安全研究センターにて定期的に調査・結果を掲載しています。
世界中の変異種株と、増減が確認できるので、抗原検査と併せてチェックすることをおすすめします。


 

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