ワクチン接種後の抗体検査。費用や注意点を解説
国内で新型コロナウイルスのワクチン接種者が増えたことで希望者が急増しているのが『抗体検査』です。
『抗体検査』は、過去に新型コロナウイルスに感染したかを調べるだけでなく、接種したワクチンが効いているかどうかを調べるのに役立つ検査です。
そこでここでは『抗体検査』の説明と合わせ、『抗体検査』の費用や3つの注意点について解説していきます。
新型コロナウイルス『抗体検査』とは
『抗体検査』とは、ウイルスに感染すると形成されるタンパク質(抗体・免疫グロブリン)が血液中にあるかどうかを調べ、過去の感染の有無やワクチン接種によって抗体ができているかどうかを調べることができる検査です。
抗体には
- IgG
- IgA
- IgM
- IgD
- IgE
の5種類があります。
lgMが作られた後に生成され、比較的長時間持続するlgGを検出する『抗体検査』が主流です。
lgGを検査する『抗体検査』には、
- ウイルスのSタンパク質(スパイクタンパク質)
- Nタンパク質(ヌクレオカプシドタンパク質)を
ターゲットとする検査があります。
ちなみに、Sタンパク質はコロナウイルスの表面のとげとげの部分、Nタンパク質はコロナウイルスの遺伝子を包む殻部分のこと。
新型コロナウイルスで頻繁に変異するのは主にとげとげ部分のSタンパク質です。しかもここがヒトの受容体と結合することで感染を引き起こすため、変異種が生まれるたびに感染者が増えてしまうのです。
そこで、ヒトの受容体とSタンパク質の結合(感染)を防ぐために作られたのがmRNAワクチンです。
mRNAワクチンを接種することで、ウイルスがヒトの細胞に感染する際に必要なSタンパク質をブロックする抗体が産生されます。
そのため、『抗体検査』では、
- 新型コロナウイルスに感染した場合・・・Sタンパク質・Nタンパク質の両方が陽性
- mRNAワクチンで抗体を獲得した場合・・・Sタンパク質のみが陽性
となります。
ワクチン接種後の『抗体検査』の費用の相場は?
日本国内でもワクチン接種が進み、2022年4月4日時点で新型コロナワクチンの3回目接種(ブースター接種)の完了者は総人口の43.01%(5446万3985人)、2回接種を完了した人の割合は総人口の79.6%、累計接種回数は2億5571万回
となっています。 (出典:日本経済新聞)
ワクチンを打った方が気になるのが、「ワクチンは効いているのかどうか」
それを調べるためにワクチン接種後の『抗体検査』を希望する人が増えています。
『抗体検査』は、
- 病院・クリニック等で検査を受ける方法
- 『抗体検査キット』を使って自宅で採血を行い郵送して検査を行う方法
があります。
ワクチン接種後の『抗体検査』は自由診療(自費)となるため、検査費用はかかる病院・クリニック等によって異なりますが、5,000円~10,000円程度が相場となっています。
ワクチン接種後の『抗体検査』の3つの注意点
ワクチン接種後の抗体を調べられる『抗体検査』ですが、受ける上で3つの注意点があります。
- ワクチン接種後間隔をあけて行う
- 検体は血液
- 抗体があっても油断しない
まず、『抗体検査』はワクチン接種後、約1か月ほどの間隔をおいておこなうこと。
ワクチンを接種したらすぐに抗体がつくられるわけではありません。正確を期すためにも一定の時間をおいてから検査を受けてください。
また、『抗原検査』や『PCR検査』は唾液や鼻腔・咽頭ぬぐい液を検体とするのに対し、『抗体検査』は血液を検体とします。
検査は静脈採血で行われることが多いのでご注意ください。
そして、『抗体検査』の結果、自分の体が抗体を獲得していることが分かっても過信は禁物です。抗体が体内にあるからといって100%新型コロナウイルス感染を防げるわけではありません。
引き続き、基本的な感染症対策(3密回避・マスク着用・手指消毒など)を徹底し、感染リスクを抑えて生活しましょう。
