10/24追記|【解説】抗原検査キット『診断用』『研究用』の違い

ウイルス感染を疑う症状が出た時や陽性者と接触があった時に感染の有無を手軽に調べられる『抗原検査キット』を活用しているという方も多いことでしょう。

そんな『抗原検査キット』には『診断用』と『研究用』の2つがあります。

そこでここでは、『診断用抗原検査キット』と『研究用抗原検査キット』の違いについて解説します。



コロナ時代の必需品『抗原検査キット』とは

『抗原検査キット』とは、調べたいウイルスの抗体を用いて、ウイルスが持っている特有のたんぱく質(抗原)を検出する『抗原(定性)検査』をセルフでできるキットです。

  • 短時間で結果が出る(15分程度)
  • 特別な検査機器が不要
  • 誰でも簡単に検査できる

といったメリットがあります。

しかし、『抗原(定性)検査』は検体の中に一定量以上のウイルス特有のたんぱく質(抗原)があるかどうかを調べる検査なので、正確性がPCR検査と比較すると劣るともされ、『抗原検査キット』で検査を行う場合、使う検体の中に検出に十分な量のたんぱく質(抗原)がないと『偽陰性(陽性なのに陰性と出てしまうこと)』も起こりえます。

感染者が次々に増える今、感染者がいち早く感染に気付き速やかな対応を取るために『抗原検査キット』は非常に有益なツール。

そんな『抗原検査キット』には、『診断用』と『研究用』の2つがあります。

『診断用抗原検査キット』とは

『診断用抗原検査キット(別名・承認済み抗原検査キット)』とは、国がその性能をチェックし承認した『体外診断用医薬品』です。

本来は医療機関や保健所等で使われるものでしたが、2021年9月27日から薬局での販売が特例的に認められ、気軽に購入できるようになっています。

『診断用抗原検査キットは、いわば、国のお墨付きをもらった『抗原検査キット』。

国・地方自治体等でも

「新型コロナウイルスの抗原検査キットは 「体外診断用医薬品」を選んでください!」

と『診断用抗原検査キット』の使用を推奨しています。

現在、国から承認されている『体外診断用医薬品』の新型コロナウイルス『抗原検査キット』は、厚生労働省『新型コロナウイルス感染症の体外診断用医薬品(検査キット)の承認情報』をご覧ください。

『研究用抗原検査キット』とは

もう1つの抗原検査キットである『研究用抗原検査キット』は、国の承認を受けていない『抗原検査キット』です。

検査キットのメカニズムとしては『診断用抗原検査キット』と同じです。

しかし、過去に『抗原検査キット』のニーズが高まったことを受けて海外製造の不良品や粗悪品が多数市場に出回ったことから、『研究用抗原検査キット』の性能に関しては今も疑問や不安を抱く声も少なくありません。

消費者庁からも『研究用抗原検査キット』については注意喚起が出されています(消費者庁)。

『研究用』だからといって全ての『抗原検査キット』が粗悪なものであるとは一概に言えません。

『研究用抗原検査キット』の中には、『日本』で検査性能が検査されておらず承認されていないだけで、WHO推奨リスト登録商品と同品質の『抗原検査キット』や、商品がすべてのEU (欧州連合) 加盟国の基準を満たすものに付けられる基準適合マーク『CEマーク』を取得している『抗原検査キット』などもあります。

そのため、『研究用抗原検査キット』を利用する際は、

  • 信頼性の高いショップかどうか
  • 信頼できるメーカーが製造したキットかどうか
  • 口コミはどうか

の3点を確認してから購入するようにすると安心です。

図解『抗原検査キット』の『診断用』と『研究用』の違い

 

2つの『抗原検査キット』の違いについて表で解説します。

診断用抗原検査キット研究用抗原検査キット
国の承認×
表示体外診断用医薬品研究用
購入場所薬局スーパー・雑貨店・ドラッグストアなど
購入方法薬剤師の指導を受ける

署名が必要

薬局の営業時間内に購入

制限なし
診断×

 

10/24追記|医療用検査キットが解禁

厚生労働省の薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会は2022年8月17日に「医療用抗原定性検査キット」を一般用医薬品(OTC)の「第1類医薬品」として販売することを決定しました。

OTC化により、休日や早朝・夜間でも「医療用抗原定性検査キット」を容易に購入できるようになるだけでなく、体調がすぐれない時や事情があって外出することができない状況でも「医療用抗原定性検査キット」をオンラインで購入し在宅のまま入手することができるようになるのが最大のメリットです。

 

 

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