10/27追記|陰性なのに陽性反応?”偽陰性”に要注意!抗原検査キットとPCR検査の違い

風邪症状が出ることが多いといわれている新型コロナウイルスの変異種・オミクロン株の爆発的な感染拡大に伴い、手軽に使える抗原検査キットの需要が高まっています。

しかし、抗原検査キットの検査で「陰性」と出た後、PCR検査を行って「陽性」と判明した噺家の春風亭昇太さんのケースのように、抗原検査キットによる「偽陰性」も問題に。

そこでここでは、抗原検査キットとPCR検査の違いと合わせて、抗原検査キットで偽陰性が出る原因、抗原検査キットの適切な活用法について解説します。



 

新型コロナウイルスの抗原検査とPCR検査とは

抗原検査もPCR検査も「現在、新型コロナウイルスに感染しているかどうか」を調べる検査です。

抗原検査は、ウイルスが持っている特有の抗原(たんぱく質)が検体の中にあるかどうかで陽性・陰性を判定する検査です。

一方、PCR検査はウイルスの遺伝子を『増幅』させて検出する検査です。

検体の中にあるウイルスの遺伝子を増やして感染の有無を調べる検査のため、検体中のウイルス量が少なくても検出が可能。そのまま検体の検査を行う抗原検査と比べるとPCR検査の精度が高いといわれるのはそのためです。

抗原検査PCR検査
目的現在の感染の有無を調べる
調べるものウイルスのたんぱく質(抗原)ウイルスの遺伝子配列
精度50~70%程度70%程度
調べる場所自宅検査機関
結果が出るまで15分程度数時間

手軽かつ短時間で検査できるというメリットがある抗原検査キットですが、問題となるのがその精度です。

実際、陽性であるのに陰性と判定される「偽陰性」の問題が起こっています。

10/27追記|抗原検査キットで「偽陰性」抗原検査キットは使用者によって結果が左右されやすい

また、使いやすさ・簡単さ・スピーディさをより重視している抗原検査キットは、使いやすい・簡単であることが逆にネックとなって、その検査を行う人やタイミングによって結果が左右されやすいというリスクがあります。

検体採取や検査自体はそれほど難しいものではありませんが、

  • お子様や高齢者など検査時にうまく検体を採取できなかった
  • 検体を検体抽出液にしっかり抽出できなかった
  • 試料滴下部に十分な量を滴下できなかった
  • 測定時間が間違っていた

などのケースで『偽陰性』となってしまうケースが後を絶ちません。

検査のプロが実施するのではなく自分で検体を採取し、使い慣れないキットで検査をするわけですから、検体の採取方法や検査方法になんらかの間違い・手違いがあり、その結果、正しい検査ができていなかったり、検査結果を正しく読み込めていないケースもあります。

 

10/27追記|8月には医療用も解禁、陽性者登録を自分で。

 

厚生労働省の薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会は2022年8月17日に「医療用抗原定性検査キット」を一般用医薬品(OTC)の「第1類医薬品」として販売することを決定しました。

新型コロナウイルス感染症に感染しているかどうかは、医師の診断により確定するのは、今までと変わりませんが、医療用抗原検査キットが解禁されたことで① 陽性者登録もしくは② 医療機関を受診のどちらか一方で診断を受けることが必要です。

①陽性者登録

・軽い症状があること(無症状でないこと)。
・65歳未満であること。
・基礎疾患などの危険因子(※)がないこと。
・新型コロナウイルスワクチンを2回以上接種していること。

外出を控え自宅で待機し、

速やかに各県登録サイト(購入キット専用)で「陽性者登録」を行ってください。
※登録には、外箱又は添付文書とともに撮影したキットの写真、本人確認書類等の写真をアップロードし、症状などを入力する必要があります。
登録内容を医師が確認して診断を行い、その結果を県の機関よりメールなどでお知らせします。また、あわせて、療養上の留意点をお知らせします。

②医療機関を受診

①陽性者登録の対象者にあてはまらない方等

医療機関をご案内しますので、各県受診・相談センターへ電話、もしくは自分のかかりつけ医に連絡をし、指示に従ってください。
※電話される際は、「薬局等で購入した抗原定性検査キットで陽性になったので診断を受けたい」旨をお伝えください。

抗原検査キットを正しく使って有効な感染対策を

やり方やタイミングによっては「偽陰性」が出てしまうリスクもある抗原検査キットですが、感染者が激増して病院等がパンク寸前の今、セルフチェックとしてキットを正しく活用することはこの国の医療を維持するためにも非常に重要です。

オミクロン株が猛威をふるう今、発熱や咳など、一見、ただの風邪のような症状が出た場合に、「風邪かな」と見過ごさず、まず抗原検査キットを使って新型コロナウイルスなのかそうでないのかを調べましょう。
そうすれば、新型コロナウイルスであった場合に、家族や周囲の人に知らない間に感染を広げてしまうことを防げます。
また、医療機関等の負担を軽減させ、より専門的な治療が必要な方にリソースを回すことができます。

抗原検査キットを使う上で重要なのは、正しいタイミングで正しい方法で使うことです。
結果、陰性であった場合もそこで安心せずに体調を見、不調が続くならば自主隔離しつつ抗原検査キットで再検査を行いましょう。

また、オミクロン株は無症状の方も多いという特徴を持つ変異種です。
そのため、症状が出ていなくても、出張や旅行、帰省、大勢で集まる場所へ行く場合など、前もって抗原検査キットでセルフチェックしておくようにしましょう。

 

 

 

 

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